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【メリットある?】大企業の一般社員が持株会を辞めた理由

投稿日:2020年12月2日 更新日:

こんにちは、マサキです。

全国のサラリーマンのみんな、持株会ってやってる?新入社員のときに雰囲気で加入した、なんとなく年金代わりに買っている、という方、今すぐ辞めた方が良いかもね!?是非ご一読いただきたい。

持株会に入った方が良い人の条件

今回も単刀直入!下記のすべてに当てはまる方が持株会に入るべきだ。逆に言えば、一つでも自信が持てない項目があれば、辞めておいた方が良いだろう。

  1. 定期的に持株会事務から届く郵送物に書いてあるプラス・マイナスや数値、その変動が全く気にならない。成績に応じて加入の口数を変えようとしたり持株会の解約を検討したりしてしまうことは全く無い。
  2. 自分が引退する頃まで勤めている会社は残っているという確信がある。言うまでもなく、会社の不祥事は絶対に起きない。会社のビジネスは時代の波に乗り、市場から評価され株価も堅調に伸び続けていく
  3. 普通に株を買っていれば貰えるはずの配当金も株主優待も受けられないばかりか、その代わりと言える奨励金が持株会事務と証券会社に間を取られ僅かしか残っていなくとも、一切腹をたてることは無い
  4. 引退した後に手にする大量の株式を安値で手放さず、適切なタイミングで現金化できる。どこからともなく湧いて出てくるエセ投資アドバイザーには一切惑わされることはなく、自分の資産はきちんと自分で管理できる

上記の理由を各々解説する。

#1:持株会は長期投資

持株会はその性質上、自分の判断で売買ができない。株価に係わらず定期的に買付を行うのは、長期投資の基礎中の基礎だ。また、会社を辞めるまで継続するのが前提で、部分的に売ることは一般的には不可。(途中解約は可能だが、申請してから預金になるまである程度の期間が必要で、売りタイミングを指定できるわけではない。)つまり、持株会は長期投資そのものである。

長期投資であれば、目をつぶって買い続ける忍耐力が必要だ。買付のタイミングを分散させ、毎月同じ金額を使い続けるから、長期投資の利点が発揮されるからだ。自社の株価が世界の株価の変動につられて動いても、気にしてはいけない。逆に、トレンドに乗って利益を作っていく株式投資の醍醐味を味わいたいなら短期・中期投資をやるべきであり、無論この場合は持株会は適さない。

持株会=給料天引きの貯蓄、と考えている方は、財形貯蓄制度を使わなければダメ。勘違いしてはいけないが、貯蓄ならば拠出した金額に元本割れが発生してはならない。持株会=投資、と考えている方は、折角なら会社や持株会事務に頼ろうとしないで、いくらをどの頻度で使うのか、いつ何をどの割合で売買するのか、自分で考えるべきだ。

#2:持株会は超ピンポイント投資

持株会は、言うまでもなく銘柄は選べない。自分の勤めている会社のみに投資し続ける、超ピンポイント投資と言える。

山一證券、三菱自動車、日本航空、東京電力、東芝、神戸製鋼所、枚挙に暇がないが、誰もが認める大企業であっても会社が傾く時代となったようだ。今後数十年に渡って自分が勤めている会社が傾かない保障はどこにもない。認めたくない気持ちもあるが、取り巻くビジネス環境も展望も経営層の頭の中も分かるはずはなく、自信を持って長期投資対象だと言い切ることは全くできない。

今回のコロナ禍で分かるように、何かをきっかけに一度ほころび始めると、すぐにでも社会は変容する。いつまでも右肩上がりのビジネスなど存在しないのだ。会社がうまく時代の波に乗り継いで行けるのか、それこそ会社の経営層だって分からないはずだ。

長期投資は、いかに投資先を分散させるかがポイントだ。私などがわざわざ言うことでもない程の常識であり、どの本にも書いてあるし、どのセミナーでも言われていることだろう。つまり、ピンポイント投資は長期投資との相性が最悪だ。

#3:奨励金に経済的メリットは少ない

株式投資の旨味は2つあり、キャピタルゲインとインカムゲインだと言われる。

キャピタルゲインは値上がり益である。100円で買ったものがいつの間にか200円の価値になっていたとして、換金したら差額分だけ儲かる。逆に値下がりした場合は損するので注意。

インカムゲインは配当益である。おおよその会社は株主に配当金(や株主優待)を払う。株の価値がいくらになろうが関係なく、持っているだけで利益が得られる。ただし、会社の業績が悪いと配当金が減ったりなくなったりするので注意。

一般的に長期投資においては、インカムゲインは再投資するべきだとされるが、子どもの進学や家の購入などで家計を圧迫する場合、資産を取り崩すだけでこの先はやっていけそうだからこれ以上資産を増やす必要がない場合など、インカムゲインは再投資せずに受け取って消費に使うべき時期がどこかで必ず来る。ところが、持株会ではインカムゲインを受け取る選択肢を選べない。

持株会では、配当金(や株主優待)の代わりに奨励金という制度があり、手に入る株数がほんの少し多くなることがあるが、微々たるもの。持株会事務と証券会社が得をしているのだろうと考えてしまうほど少ない。証拠は無いが恐らくそうだろう。持株会だって運営コストがかかるはず、慈善事業であるわけもない。投資資金の元手が私の金なのだから運用益も私が手に入れて当たり前だ、と思ってしまうのは私だけなのだろうか。奨励金での利益が、自分で投資した場合に得られる利益より多くなることがあれば、加入を検討し始めても良いかもしれない。

なお、配当金(や株主優待)が受けられるタイプの持株会があったとしたら、その方は無視していただきたい。

#4:持株会は自己責任

会社の制度の延長だと考えていると失敗する。確かに持株会は会社の制度だが、決して従業員側の資産を管理してくれるわけではない。結局は株式投資である以上、自己責任である。投資の世界に足を踏み入れるなら、その覚悟が要る。

会社を辞めるときにもちろん持株会を辞めることになるが、このとき大量に預金または株式を手に入れることになる。それを上手に活用できるか?だらだら無節操に使って後々苦しい生活をする羽目にならないか?せっかくまとまった金が手に入ったからいい気になって増やそうと思って、怪しい不動産業者に騙されてゴミ物件を買ってしまうことは無いか?

株の売りどきが分からないからと預金で受け取る場合、持株会事務が”可もなく不可もなし”な値段で換金してくる。一気に多くの株を売っているため、持っていかれる手数料も少なくないはずだ。半生掛けてコツコツ貯めてきた虎の子の株なら、高値のタイミングで売りたいはず。株式投資のクライマックスとも言える部分を他人に任せていいのか?

株だからこれから価値が上がるだろうと考えて株で受け取る場合、株の売りどきを自分で判断しなければならない。チャートの見方は本当に奥が深く、一朝一夕で身につかない。そのため長期に渡ってチャートを眺め、知識と勘を養えておくべきだが、であれば結局自分で株式投資をやることと殆ど同じことにならないか?養ったチャートの見方を使って株式投資をやった方が良いんじゃないか?

まとめ

私が持株会を辞めたほうが良いと考えている理由を完結にまとめる。

  • 持株会は、その性質上、長期投資かつピンポイント投資であるという相反する性質を持っている。
  • 持株会は、株式投資であるにもかかわらず、株式投資の旨味を享受できないばかりか、投資の素養・マネーリテラシーを身に付けられないままになる可能性を含んでいる。

オマケ

私の場合、会社のオリエンテーションの一環として持株会の案内があった。加入の用紙を配った後の、教育担当の「給料無くなるほどの金額に設定する奴がたまにいるけどやりすぎるなよ(笑)」の一言が印象的だった。あまり深刻に考えるもんでもないんだなーと思ったが、当時投資の知識やマネーリテラシは全く無かったため、加入してしまった。持株会解約申請後は1ヶ月くらい経って、払い込んだ金額よりも少ない金額が返ってきた。大損というわけでは無く安心した。このご時世を鑑みると、十分だろう。

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